山奥の溜池にクルマを止めた。
生産者たちの土に染みこむはずの水だ。
秋の冷たい朝、鏡のような水面に
日が差し込み、うっすら靄をたたえていた。
見上げれば青空に筋雲が走り、鳥たちはさえずり
この世の美しさに歓喜するようであった。

山の上に連なる高圧鉄塔に電流は走っているのであろうか?
感じることのできない破壊粒子は
手の平にのった計測器のデジタル数値を
ただ風のように上下させていた。

福島で作品に会いに来てくれた人たちがいた。
その空間物質に静かに耳をかたむけてくれた。
わたしはその人たちの言葉に耳をかたむけた。

百年後、千年後、万年後。
果たしてその静寂に耳をかたむける人がいるのだろうか?

静かにつぶやいた波動粒子は、やがて静寂に替わるのだろうか?

なつかしい人たちに沢山会った。
みな、静かな人たちだった。

みなさま、本当にありがとうございました。

 

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