あまりにやるせないことが続くので、
気晴らしに、お堀の横の美術館にフラっと立ち寄りました。

中はガラガラ、静かで物思いにひたるには、この上もない好条件でした。

その中で、引っかかってしまった一枚は、藤田嗣治氏の戦争画でした。
暗闇のジャングルで戦う兵士達、遠雷の微かな光の中、敵兵を足蹴にして日本刀で相手を叩き切る。大画面いっぱいに“闇”“生死”“勇ましさ”“愚かさ”がぐちゃぐちゃに描き出されていて、こちらに迫ってきました。しばらくの間、絵の前のベンチに腰掛けてボーッと眺めていました。外の明るい昼下がりと裏腹にそこだけポッカリと闇が口をあけていたので自然と沈んだ心と波長が合ってしまったようでした。

たしか、この絵のおかげで、戦争のプロパガンダを担いだと非難され、ツバを吐いて、日本を棄て、出ていっんたのだよなぁ。
あの美しき女性像を描いているのと同じ人なのだよなぁ。と思い返し。
オノレは、いったい何を描くのか?改めて問い直してみたりするのでした。

時代の中で制作する方向が、正しいとか間違いではなく、確かな実在のみが暗黒の中に漂っている。ただそれだけなのだ。その実在こそが真理なのだ。と訴えてくるようでした。
それに今の時代とは質の違う闇。この闇の感覚はなんだろう。ホントにポッカリとした闇なのでした…。

いやぁ、なんかすっごく勉強したぞ。
という気になり、地下鉄の階段を下りるとき。

そういえば…、成人式の日にココに来たなぁということを思い出しました。親には悪いことをしましたが、イカレポンチの成人式に出るくらいなら、美術館で絵にひたっていた方がマシと突っ張ってココにやって来たのでした。その時、何の絵に見入ったかは忘れてしまいましたが、あの頃にくらべて、少しは本質をみられるようになっているのだろうか?

ヤバイ。成長してないかもね…。

 

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