ピンと張った一本の弦
指で弾くと上下に振れて音をだします
弱く弾けば小さな音、強く弾けば大きな音
どんな音もやがては減衰して静寂がおとずれました。

ある日、子供が弦を引っ張っりました
満足できずに力まかせにおもいっきり引っ張りました
パチンとはじけて、ぶらんとたれ下がった弦。
結び直す術など知らない、泣きじゃくるばかり。

大人だったら知っていました。ものごとには限界があることを
加減をみながら、いい音、悪い音を紡ぎ出すことを
そして、子供を許すおおらかさを。

現実はどうなりました?
だらんと垂れた弦に囲まれています
キラキラと輝く弦、錆び付いた弦、細い弦、太い弦、
長い弦も短い弦もみんなで垂れ下がっています。
一人もそれらを結ぼうとはしません。
風で揺れた弦どうしがカサカサと乾いた音を
ひたすらに、引っ切り無しに、出すのみです。

世界が陰陽でできていたころ
ピンと張った琴線は美しい音を紡いでいました
響く音が美しいと感じていました。

いつからか「わっせ、わっせ!」と掛け声がうるさくなりました
目の前に垂れ下がった弦をかき分けかき分け
みんなで行進。そんな日常。
「わっせ、わっせ!」明日に向かおう。
明るい方へ、明るい方へ。

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コメント

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    • ueshima
    • 2016年 8月 25日

    とても、美しい詩のようですね。

      • Takayuki Katahira
      • 2016年 8月 25日

      アリガト。

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